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洞の地蔵石仏 [建長六年(1254年)地蔵]

奈良市三笠山麓町。安山岩(カナンボ石)製。若草山麓の南に水谷川(みやがわ)が流れるが、その流れに沿って上がると、紅葉の名所として知られる洞にでる。月日亭という料亭の手前の左手の小高い所に倒れたままの地蔵があり、洞の地蔵と呼ばれている。安山岩製、高さ120cmの板状自然石の表面に、蓮華座に立ち、頭光背を負う像高75cmの地蔵を薄肉彫りする。硬質のカナンボ石(黒色安山岩)を使っていて、薄肉ではあるが、よく姿が鮮明に残っている。表情が引き締まり、衲衣の表現ものびやかで写実的であり、優れた造形である。右手に錫杖、左手に宝珠を持つが、その指先や足先の表現にも、生き生きとしたところがあり、鎌倉中期の作風をよく示している。像の両側に刻銘がある。

建長六年八月日

  勧人 多聞丸

(奈良県史 第七巻 石造美術 1984年 p.279)

​アクセス

〒630-8212 奈良県奈良市春日野町

・JR奈良駅、近鉄奈良駅から市内循環バス「東大寺大仏殿・国立博物館」下車

 または、JR奈良駅、近鉄奈良駅から奈良交通70系統「春日大社本殿」行きバス「春日大社本殿」下車

 春日大社駐車場、若草山方面へ、春日山遊歩道に入る。

「東大寺大仏殿・国立博物館」からは徒歩約20分程度。

「春日大社本殿」からは、徒歩約10分程度。

・山道を歩き、月日亭手前の休憩所近くの橋の手前左側にあります。​

*登山道を歩くことになります。装備などの準備を心がけてください。

*立ち入り禁止区域にあるため、近づいての見学はできません。

 実物は、道沿いからの見学をお願いします。

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